ロウきゅーぶ! 第12話(終)

硯谷女学園との試合の続き。
最終回だからか、バスケ描写には気合いが入っていた。それぞれのキャラに見せ場を用意していた所が、5人のキャラを大切にしているこの作品の良い所だと思った。最初の頃は「智花無双」と言われてたが、今はチームでのプレイがメインとなっている。あと、「敵チームの強さ」もきちんと描いている所は好感が持てる。やっぱスポーツものには魅力的なライバルが必要だからなぁ。今までそのポジションは男バスの夏陽が担っていた訳だが、やっぱり同性じゃないと。
しかし、その試合の結果は「負け」で終わってしまう。1点差とはいう惜敗だったとはいえ、ここで「負け」にしておくのは面白い。ぶっちゃけ試合じゃないから、負けるならこのタイミングという見方も出来るし。試合後に自主練している時の紗季と真帆の会話は、なんだか普通に「爽やかスポーツもの」となっていた。もうロリコン御用達アニメとは言えないね!
その後は、スバルの朝が元気が無いから小学生メイドになんでもしてもらうという展開に。あ、ロリコン御用達アニメだったわコレ。そして、小学生メイドハーレム状態になった所を、幼なじみのババァ(女子高生)に見られて、粛清を受ける。試合にスポ根青春ドラマに、綺麗な落としどころはあったはずなのに、1話の「始まり」と同じくロリメイドで「締める」というのはこの作品らしい。
エピローグでは、なんか1人1人とデートしているようにしか見えない犯罪者(スバル)の姿がそこに。もうバスケのコーチでもなんでもねぇよこいつ。


全体としては、「女子小学生のバスケものという、ロリコン御用達に見えて実は青春スポ根もの、とみせかけて実はロリコン御用達ものなんだ」といった印象を持った。
バスケ描写が何気にしっかりしていて、主人公の智花1人が無双して終了するという無茶な展開ではなく、チームとしてのバスケが描かれていた。確かに智花はエース級の実力を持つが、複数人にマークされたら手も足も出ないし、強い相手には普通に押し負ける時もあるという、「当たり前」の描写をしているのは実は昨今珍しい部類に入るのではないだろうか。特にネタ度が高いラノベ原作なのに。こういう「真面目」で「熱い」部分があるところが、この作品の魅力だと思う。
そしてもう1つの魅力である、ロリ要素も強かった。メイド服を始めとするコスプレ天国や、執拗なまでに描かれるお風呂描写には、今日の情勢を考えるとかなり「攻め」ていたのではないかと。ぶっちゃけ途中の展開はバスケアニメというよりも水着アニメになっていたし。個人的には、「水着」と「バスケ」を両立させるために考案した「水着のままバスケ」というアイディアは、とても素晴らしいと思った。
声優陣もそれぞれがハマり役だった。花澤香菜井口裕香日笠陽子の若手実力派の信頼できる演技力と、日高里菜*1小倉唯の新人ながらも魅力的な演技力は素晴らしかった。この5人のロリ演技は、それぞれが個性的でチームとしても良かったのでは。実写ダンスという無茶な企画に果敢に挑戦したことも評価できる。
物語としては綺麗に締められてはいるのだが、二期があったら期待したい。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。

*1:10代ながらも、もう新人というべきキャリアでは無いのかもしれないが、デビューしてから3年までは「新人」という括りで良いだろう。