神様ドォルズ 第13話(終)

玖吼理VS禍津妃の決着と、日々乃さんとのラブコメと、阿幾との語り合いで、俺たちの戦いはこれからだEND。
冒頭の暴走玖吼理の空中戦がとても格好よかった。普段はかわいらしい玖吼理が本気を出したらスゲー強いというギャップもさることながら、両耳を使って殴りまくるアクションシーンと、フィニッシュブロウの右ストレートが素晴らしかった。まさしく玖吼理無双。
闘い終わって、日々乃さんとのラブコメのターン。「日々乃さんは おれのもの だ!」という所有物宣言からの屋上でのキスという展開は、ヘタレてるかキレてるかどっちかだった匡平がやっと報われたというか、なんというか。だけどキスにしても手つなぎにしても、基本的に日々乃さん主導であるというところが匡平らしい。詩緒の前では手つなぎも自分から解除するし。
家に帰ってからの阿幾との会話では、阿幾がすべての元凶というストーリーの始まり方となっているのに、やっぱりどこか憎み切れないというか、むしろ友情を感じさせる内容となっていた。特に子ども時代の食い物の恨みで言い争う姿が良かった。
そして、阿幾は村への復讐へと向かう。村の、お館様の企みとはなんなのか。街で暴れてしまって案山子がバレそうになっている件はどうなるのか。傷心の桐生とまひるの行方は。ED曲にのせて先の展開をみせていくかたち*1で、匡平はどうなってしまうのか……、というところでEND。
原作が続いているから仕方ないとはいえ、普通に次週の内容が気になるような終わり方だった。アニメ独自に無理矢理終わらせるよりもよっぽど良いけど、続きが知りたい……。
あと、今回は絵コンテが後藤圭二、原画に田中良と後藤圭二今石洋之が参加していた。


全体としては、「シリアスすぎず、かといって明るすぎず、それでいて先の展開が気になるドラマをしっかりやる秀作アニメ」という印象を持った。
暗くなりそうな題材を扱っていて、シリアスなシーンは確かに重いのだが、決して暗くなりすぎていない。ラブコメやギャグ、コメディタッチなシーンも多くあるのだが、決してふざけ過ぎていない。この暗い部分と明るい部分のバランス感覚は見事。
また、案山子バトルのクオリティも高かった。空中戦を主とした立ち回りや、各々の案山子の特性を巧く見せているアクション、派手な見せ場もあり、バトルシーンは見応えがあった。
声優としては、匡平の「大人しそうだが狂気を孕んでいる」性格を、岡本信彦が熱演していた。ヘタレな部分と熱い部分、そしてシリアスな部分を巧く演じ分けていた。狂気を感じさせる叫び演技も見事。
詩緒役の福圓美里は、「声にならない叫び」演技といい、神様ドォルズ講座のハッチャケぶりといい、とても良い演技をしていた。詩緒の存在は「神様ドォルズ」の中での癒しパートとして働いている部分が大きく、それを見事に演じきっていた印象。
日々乃役であり、今期の「神アニメ」こと「神様のメモ帳」と「猫神やおよろず」という3作品のすべてに出演している茅野愛衣は、母性がありつつも厳しい部分があるというヒロイン像を演じていた。というか、茅野愛衣はこの3役すべての演技の方向性が違っているような。演じ分けうますぎ。
あと、要所要所でいい仕事をする勾司朗が格好よかった。ウホッ!いい男…。村瀬克輝の渋かっこいい演技も素晴らしかった。
この作品を岸誠二上江洲誠が担当したのは、この2人が「ドラマとギャグの両立ができる」からだろうし、その点は成功していると思う。
普通に続きが気になるので、続編があったら期待したい。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。

*1:どうでもいいけど、お館様の近くにいた巫女さんがやけにエロい