機動戦士ガンダムAGE 第1話(新)

企画協力:レベルファイブ、ストーリー/シリーズ構成:日野晃博という布陣で「子ども向けガンダム」というコンセプトの元、オリジナルアニメとしてスタート。
というか、本来ガンダムは「子ども向け」だったはずなのに、現代ではわざわざこういった形でやらざるを得ないことに色々思うところはある。「ファーストガンダム」は確かに設定や内容に難しいところはあるが、筋はビックリするほどシンプルだし、そもそも論として「子ども向け」に創られていたはずなのに。
「これはガンダムではない」という論争も、そもそも「Zガンダム」の時点で「こんなのガンダムじゃない」という意見があったり、「Gガンダム」や「ガンダムW」、近年の「SEED」や「OO」といった所謂「平成ガンダム」の時にも散々あったので、今更「ガンダムらしさ」にとやかく言うつもりは無い。
監督の山口晋は、「SEED」の時の活躍と、「ケロロ軍曹」の劇場版でのキャリアがあるから、「ガンダム」と「子ども向け」の両方を任せられる、という判断で選ばれたのかな。


第1話のストーリーは、かなり「ガンダム」というものを意識的に創っている、という印象を持った。
「英雄像としてのガンダム」だけじゃなく、「ファーストガンダム」を意識しているだろう台詞回し、そもそもヒロインがフラウ・ボゥそっくりじゃねぇかという突っ込みや、兵器オタク気味であることや、家族の関係でガンダムと関わることになることも、ガンダム的な伝統である。
アムロみたいに内向気味な性格ではないけれども、それも現代性を考えたら納得のいく変更であるし、敵とのバトルでいきなり主人公無双なのも伝統だと思う。
しかし、どうにも「レベルファイブだなぁ」という印象を持ってしまうのは何故だろう……。サブキャラのデザインがモロ「レベルファイブ」であることを置いといても、ストーリー展開の仕方に強くレベルファイブの雰囲気を感じるんだよなぁ……。
たぶん「4クールある」というストーリー構成から逆算してあまり要素を「詰め込みすぎない」こと、1つ1つの展開で変化球を投げずに「王道」を行くこと等が、この作品の特徴となっているのだろう。
1クールや2クールといった短い話数で複雑な構成をこなす最近のアニメに慣れた目からすると、どうにも「薄く」、「遅い展開」と思ってしまうけど、キッズアニメとして考えたらこのくらいのテンポが適正なのかもしれない……。
あと、敵が「UE」という文字通り「正体不明」なものとして描かれていることも、普通のアニメだったら何か「正体を匂わす」ことくらいはすると思うのだが、あくまでも「正体不明」として描いて情報を与えない、というところも特徴的。「闘い」があるので「戦争」状態ではあるのだが、その戦争の「目的」や、何と闘っているのかという「正体」も不明という、ちょっと気持ち悪い状況になっている。
まぁこれは後々明らかになるだろうから、今の段階で「わけわからん!」と突っ込むのは無理筋だろう。宇宙怪獣みたいなフォルムをしているが、動きを見る限りどうも人が操縦しているっぽいし、どうなんだろう……?
とにかく、日5という枠で4クールやることが既に決まっているので、これからの手腕に期待したい。