輪るピングドラム 第19話

絵コンテ・演出・作監(共同)・一人原画:後藤圭二で、陽毬回。
陽毬の退院や、陽毬VS真砂子、陽毬の過去と、陽毬関連のイベントが多かった回。
冒頭で冠葉が両親と定期的に連絡しあっていたことが判明。「冠葉はどうやって大金を調達しているのか」という伏線があったが、それは両親から貰っていたものだったようだ。また、両親は未だミッションを遂行中のようだ。冠葉が独自に行動していたのも両親関連の出来事だろうし、一体どうなっているのだろうか。
学校を辞め、ゆりとも別れた多蕗。ゆりが多蕗に言った「いずれ本当の家族になれる」という台詞は、「家族」というこの作品のテーマも出てきているし、「運命を変える呪文を使わないと本当の家族にはなれない」と描写しているので興味深い。
また、「ピングドラムがあると、ぼくはゲームに勝てないんだよ」という眞悧の言葉も意味深だった。どうやら桃果陣営・高倉家陣営・眞悧陣営の三つ巴になっているようだが、何を争っているのかも分からない状態なのでなんとも言えない。つか、こんだけ「よく分からない」状態が多いのに、よくこれだけ人を引き込むドラマを創れるよなぁ……。
ラストでは、陽毬と真砂子のバトルがあった。何気にこの2人って初対面なのか。もっとも真砂子は陽毬のことを知っていたが。トラックが事故って鉄球が暴れ回る謎空間の中、陽毬の過去が明らかになる。またもや登場の子どもブロイラー。「運命の果実を一緒に食べよう」と晶馬が陽毬を「選ん」で、陽毬が家族になったようだ。まさか陽毬が「血の繋がった家族」では無かったとは……。当初から冠葉や晶馬の陽毬に対する態度が血縁関係のある妹に対しての態度のようには見えなかったが、本当に血縁関係は無かったのね。陽毬は記憶をなくしていたようだし、ここで「林檎」が出てきたことも意味ありげだ。
ここにきて「運命」絡みで晶馬の存在がクローズアップされるとは。伏線の張り方というか、回収の仕方というか、謎の配置の仕方がとにかく巧い。