異国迷路のクロワーゼ 第12話(終)

クロードの父親への感情と、鈴をつけた猫。
湯音の「頑張りたい」という気持ちとクロードの気遣いが空回ってしまうという、この作品らしい話での最終回。クロードと父親の関係性も、以前からの伏線を効果的に回収していて見事だった。
クロードの湯音関係と父親関係という2つの大きな要素を、解消とまではいかないが前進させる話であったというのも興味深い。前回の「湯音と姉」ではなく、クロード関係に焦点を当てたのか。
尤も、クロード関係ではカミーユとの関係性もあったわけで、最終回ではアリスともどもちょっとしか出てこなかったのは少し残念。しかし、短い話数の中焦点を絞るというのも重要な戦略だからなぁ……。
また、ゲタを無くすことで最後にお姫様抱っこに繋げるという流れが素晴らしかった。
湯音を捜索する」というイベントを通じて、ギャルリ内で湯音の存在が大きくなったことをみせ、最後に「ギャルリの家族になった」といったかたちでシメる構成も見事。
全体としては、湯音という「日本人少女」とギャルリという「巴里の街並み」が不思議と融合していて、観ていて癒される効果があった。
浮浪児との関係性、クロードとカミーユの問題、湯音の姉の問題といった多数の伏線は残されているし、クロードと父親との関係も「一歩前進」といったくらい。湯音とクロードとの関係もまだこれからって感じだし、まさしく「一旦終了」な終わり方だった。これだけ色々な伏線を張っているのだから、もし二期があるのだったら期待したいところ。実際1クールでは収まり切らないような要素がたくさんあった訳だし。
湯音役の東山奈央の「若干片言気味な日本語」演技の方向性も面白かった。やりすぎると不自然になるし、微妙なサジ加減の演技を巧く演じていた。
背景美術と音楽の融合による世界観構築も素晴らしく、観ていて心地良い安心感があるアニメだった印象。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。