猫神やおよろず 第12話(終)

絵コンテ:森脇真琴による、跡継ぎ問題もお見合いも、勘違いと悪ノリで事態が悪化しただけでした……な最終回。
神力を奪われて力が抜けておめかししている繭様は、まさしく「神(しん)発見」的な魅力があった。脱力演技も良い。この作品、キャラデザ的なクオリティが結構高いんだよなぁ。
繭様が天界へさよならしちゃう!?という話は、結局はツクヨミの謎の悪乗りによって引き起こされただけのことだったのだが、実は繭様最強説が出たりしていたのが気になった。つーかツクヨミはなんであんな適当なのだろうか。繭様最強説も、今までグウタラしていたから違和感の方が強い。前の方にそういう描写があったら良かったのだが。
繭が居ない間の八百万堂では、キャラ総出演で密度は濃かったのに、繭様が居た時のような盛り上がりが無かったところだとか、柚子のちょっとした演技で喪失感を演出していたところが見事。
そして、繭様が帰ってきた後の「ただいま」「……おかえりなさい」の演技のニュアンスがなんか凄かった。絶妙すぎる。


全体として、萌えなのかコメディなのか人情なのか、いまいち「売り」がわかりにくい作品ではあったのだが、この作品に流れる独特の空気感は心地よかった。
柚子の過去関係になるとやけにシリアスとなり、かと思えばドタバタコメディのような話もあり、萌え要素を押し出すかと思いきやあまり媚びた様子は無かったり……と、つかみ所が無い印象。
なんとなく思ったのだけど、こういう「つかみ所の無さ」って、まさしく「猫」のような感じではないか?ころころと「顔」が変わり、決して心から懐くことは無いのだけれど、みていると安心する、というか……。いや、何言っているかわからないと思うけど……。
声優の演技方面での意外な収穫も多かった。特に繭様役の戸松遥の演技は、同じ「神」でもナギ様とはまた違った方向性で面白かった。柚子役の堀江由衣の演技も絶品。特にシリアス時のニュアンスの出し方が素晴らしかった。他にも、芳乃役のMAKOの萌えボイスでの早口演技とか、しゃも役の豊崎愛生の「何言ってるのかわからん」系の怪演が印象に残った。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。