まよチキ! 第13話(終)

3!2!1!ナックルナックル!!な巨乳メガネギャップ萌えナクルとの番外篇デート回。
BL好きかつメガネLOVEで、ぶっちゃけネタキャラ扱いだったナクルにとうとう当番回が来た。これでTVシリーズ的には最終回となっているが、作品通しての位置づけとしては、TBSアニメではよくある番外篇的ポジションとなっている。一応ラストで近次郎にホの字にレの字にタの字っぽいが、これまでの扱い的にヒロインレースでは色物扱いですよね……。
一応スバルに奏お嬢様に紅羽にマサムネと全ヒロインは登場しているがチョイ役も良いとこ。まぁ全く出番が無いよりマシか。一応脱いだり擬似ぶっかけだったり手芸部の友情みたいなのもあったし。あと、アイキャッチとか即売会会場とかに、新キャラっぽいキャラデザの人たちが居たのだが、これらはこの後のエピソードに出てくるキャラなのだろうか。原作未読なのでよくわからんが、ファンサービス的な?
デート時のナクルの巨乳アピールが凄かった。近年のラノベ界の流行を反映してか、巨乳キャラはこの作品では貴重だから余計に。しかし紅羽とマサムネに「胸が大きいのがコンプレックス」とか言ったら本当に殺されるなっ……。
メガネ無しナクルの萌え作画力と、走って逃げる時に揺れまくる乳といったナクル萌え演出が素晴らしかった。アスミスの演技も良い。このキャラ、ポテンシャルは高いのにどうも扱いが色物なのが勿体無い……と思ったけどこういう扱いの方が良いのかもしれない。マサムネみたいに当て馬にされたり、某ISのセカンド幼なじみさんみたいに明確なポジションが無く出番が少なくなるよりも、ネタキャラとして生きる方が出番も取りやすいだろうし。住み分けって、大事だと思うんだ。


総評としては、「気軽に観られるちょいエロラブコメ。テンポの良い演出と綺麗な作画、豪華声優陣による演技といった要素のクオリティは全体的に高く、安心して楽しめる良作」といった印象。
今年になってアニメ化された原作がMF文庫Jの作品(IS、緋弾のアリア)は、どれも「どこかで観たことがある」設定・作風であることが多いのだが、それはつまり「王道」ということであって、先の展開は読めるが安心して楽しめる作品であった。
「偉大なるマンネリズム」というか、ストレートな作品というか……。以前なら、ラノベといったら「設定がややこしい」「変なシチュエーションである」という印象だったのだが、最近はあまり捻らなくなってきているのかなぁ。もちろん、そういった「ラノベらしい」作品は今期にも普通にあるのだが、「王道」的作品も増えた印象がある。
かのアリストテレスも「詩学」の中で、「筋は単純で良い。問題は見せ方だ!」と言っているので、この方向性は正しいのかもしれない。「王道」だからこその「良さ」がある、みたいな。分かりやすいっていうのはやっぱり重要だし。だから、「○○で観たことがある」「××のパクリ」みたいなことをこれらの作品に向かって評するのは、端的に的外れなんだよなぁ。そういったシミュラークルに戯れることを目的としている部分もある訳だし……。
エロ作画に関しては、ちょっとTVで限界突破した部分もあるみたいで、BD・DVDでの完全版が楽しみですねとしか。まさかスバルの全身が発光するなんて思わなかったよ。シャイニングスバルか。石破ラブラブ天驚拳か。全編を通して作画水準は高かった印象。
声優陣は、それぞれキャラに良くハマっていた。流石は音響監督も兼任したことがある*1川口敬一郎だ。そして、個人的に凄いと思っているところは、きちんと声優の持ち味を活かしつつも新しい芸風を開かせているところ。特に井口裕香の男の子演技は珍しいのでは。声優陣は全体的に、ハイテンポな演出に応えていて素晴らしいと思う。
川口敬一郎監督作は、「サービスが行き届いている」印象がある。彼はギャグテイストでちょっとHな作品を手がけることが多いが、今回もそのような作風を引き継いでいて、見事に1クールやりきっていた。少年漫画のラブコメ枠をやるのも良いが、今後もこの路線も続けて行って欲しい。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。


*1:まよチキ!」では兼任していない。怪物王女OVA)やSKET DANCEでは監督と音響監督を兼任している。